私たちは管理医療機器である補聴器の専門店のため「集音器」を販売していませんが、補聴器と集音器の違いを知るために定期的に様々な集音器を購入し、客観的に評価をしています。
私たちは「集音器」だからと言ってすべてを一律に批判することはなく、「良い集音器と悪い集音器」を分けて考えており、
一部の集音器は低価格の補聴器よりも優れた機能を持ち、補聴器よりも優れた音質を実現していると考えています。
私たちの大義である「聞こえ改善」が果たせるならば、低価格の集音器でも「聴覚支援・補助器具」として否定はしません。
「有名テレビショッピングの耳掛け型 集音器」
・充電式集音器
・連続使用時間 約30時間
・価格:10,890円(購入場所、時期によって多少の変動有)
・Vol1~Vol4 中間Vol 1.5等もあり
・音響特性試験装置はリオン社製LH-15を使用
・条件 測定結果 Vol1~Vol4
測定結果として、旧型のリニアHAのような特性になり、中間Vol1.5がある。
高域成分を削っているため、ハウリングはしにくくなっている。
日本語の聞き取りに重要な1kの利得成分をピークにしているために明瞭度が低いと単音節では難しくても、連語であれば聴取可能かもしれない。
「典型的な老人性難聴」であれば使用できるユーザーが多いと思われる。
「骨伝導集音器」
・ヘッドホン(集音マイク付属)
・充電式
・価格:約5,000円
測定条件:
・音響特性試験装置はリオン社製LH-15を使用
・インプレッションで遮音
・本体のボリュームは最大で測定
ボリュームコントロールで音量を変更
サーサーという暗騒音が多いがボリュームで調整すると良好。
乳様突起に装着しても聞こえず。耳珠の横に骨導端子を押し当てることで聞こえ、軟骨伝導補聴器と聞こえ方も似ているが、音量を大きくすると音びれしやすく、二重に声が聞こえる。
軟骨伝導HAは軟骨部の量によって聞こえ方が変わるので、この集音器も同様にその影響を受けやすいと考えられる。
「充電式 耳穴型 集音器」
・価格:約7,000円
・本体+充電器
・ノイズキャンセリング機能付き
・タッチコントロールのボリューム付
・音響特性試験装置はリオン社製LH-15を使用
タッチコントロールで4段階の音量が変化する。
音質はノイズキャンセリング機能があるからか暗騒音も
少ない。接客ブースで4~5人の会話になると音が混ざってしまい、聞き取りにくい。ハウリングを回避するために3k以上の利得を抑えており、2k以上にピークがくるように設定されている。イヤチップの収まりは緩め。
「ポケット型集音器」
・価格:約5,000円
・15段階のボリュームコントロール
・音響特性試験装置はリオン社製LH-15を使用
ボリュームコントロールで音量を変更可能。
あまり大きくは特性が変化しない。高音域の利得が弱いのではっきりしないこともあるが、テレビの音は少し離れていていても大きくなっていた。